上京してきた時、童貞だった時、何も分からなかった時、
心の中に聞えてきたのはそう、あんな歌だった。
あんな歌が聞えなくなった時、人は大人になってしまうんだ。
みうらじゅん(イラストレーターなど)
311は映画『モテキ』クランクイン直前に起きた。
以降、東京の景色が変わった。特に夜の景色が。
『モテキ』はリアルな東京の夜の風景が必要だった。
街頭やネオンの消えた東京は、それまで自分が感じていたリアルではなかった。
感度の良いカメラに変え、少しでも明るいロケ場所を探した。
が、途中でそれが嫌になった。
2011年の311以降の夜の東京をしっかりと記録しようと思った。
今の、この景色こそがこれから始まる「温い地獄」の入り口であり
あともう一方で「あれ?夜、街が暗いって当たり前のことじゃん」と気づいた。
たぶん、あの頃、同じように考えたディレクターや監督がいたはずだ。
松江哲明もその一人であり、『トーキョードリフター』はそういう映画だ。
だから僕の映画もこの映画もフィクションでありドキュメンタリーなんだと思う。
とはいえ、言うほど暗くないんだよね、映像にすると。
だから、言うほど暗くないんだよね、東京も日本も。
大根仁(映像ディレクター/『モテキ』)
肌寒い初冬の夕方に渋谷でこの映画を観れた縁と運に感謝!・・・と思ったがたぶんそれは違って、いつどこでだれとどんな状態で観ても、今ここでこのシチュエーションで観られてよかったと感じるんじゃないか。そのくらい、観客自身の「今」の心に働きかける力がすごい作品なんだと思う。
武富健治(漫画家/「鈴木先生」)
闇の中に光る雨、
映情と歌情とが
交差する、トーキョーから
トーホクへの愛。
荒木経惟(写真家)
真っ暗になった東京に見えない雨が降る。
濡れた地面、逆さにうつった自分は揺らぎ、ちぎれ、虚像を繰り返す。
音楽はこのとき、最も正確なコンパスだったのかもしれない。
今日マチ子(マンガ家)
これは絶望から立ちあがるための方法についての映画だ。
実際に絶望を体験した僕らにだからこそ意味がある。
岩田和明(「映画秘宝」副編集長)
心の中に聞えてきたのはそう、あんな歌だった。
あんな歌が聞えなくなった時、人は大人になってしまうんだ。
みうらじゅん(イラストレーターなど)